昔々のことじゃった。
どれくらいかと言うと、まだインターネットがISDNもADSLもなく、 USBもない為SCSIを使ってあれやこれや。パソコン雑誌には股間に金塊シールを貼った美少女がウジャウジャ。雑誌にCDがついててIEとネスケをダウンロードしないと何も始まらなかった時代。スクリーンセイバーが普通のゲームと変わらないくらいの値段で売られていた時代。
アフタヌーンが電話帳より分厚く、ガンガンで応募者全員にテレフォンカードが当たった(但し1000円分の切手を封筒に入れて送らないといけなかった、、これ、購入っていうんじゃ。。。)、世の中がおおらかだった時代。
そう、具体的には三十年ほど昔の話だ。
僕はテレ東系のアニメを観まくっていた。今でも何曜日の何時に何のアニメが放送されていたか覚えているくらいだ。
その中の一つに『機動戦艦ナデシコ』があった。
オープニングもエンディングも、ゲキガンガー3って作中劇の歌も歌える。でも、ストーリーは全然覚えてなかった。なんか不快感の記憶だけがあった。
数年前にふと思い立って考察サイトがないか探したらブッチギリに古いアーカイブサイトが見つかったが感想は拾えなかった。
あのアニメは、何だったんだろう。
そんな感じでモヤモヤしたまま過去の押し入れに仕舞い込んでいた記憶。
そんな中。
監督さんが最近亡くなられたらしく、追悼でyoutubeで26話全部公開になっていた。
なんか、一週間限定だったのだが、気付いた時点で3日経ってた。
どうしようかちらりと迷って、観ましたよ全話。勢い余って映画まで観た。後半に少し倍速で観たことも白状しておく。
その上で書く。何じゃこのアニメは。
なんか自分がおっさんだからかな、胸糞悪くなるほど登場人物全員が自分勝手な理屈で勝手な事してるし、無責任なくせにムチャクチャ人が死ぬ。火星で生き残った民間人全員がナデシコのバリアで死ぬ。映画版は、何故みんなが集まらないといけなかったか意味不明。
多分、当時の自分は今以上に理解力が無くて、それでも気持ち悪さだけはどうにか感じとっていたのだろう。映画館、当時行ったもの。アキト以外全員不真面目、という記憶だけが残っていたが、今回観てみたらアキトも含めて皆何言ってるか全然分からん。
なんか、この作品、裏設定や没ネタが膨大にあるらしく、確かに重力空間を作ったり、それをビームにして発射したり、訳わからない理屈で出来た訳わからないものがいっぱい出て来て、SFとして面白いネタはちょこちょこあるが、それは作品の評価とは関係ないと思う。
作画が後藤圭二さんだったりシナリオにあかほりさとるさんや川崎ヒロユキさんがいたり、当時の売れっ子声優がズラリと並んでたり、と、今見ると豪勢なんだよな。そりゃ売れてくれないと困るやろって作品。続編が出来ないのも納得だわ。
今回、コメントが読めたのが良かった。皆、良いアニメだった、大好きでした、というコメントで溢れているんだが、おばあちゃんの家で見てました、とか、自転車こいで隣町の映画館で見ました、とか、作品とは関係ない個人的思い出とごっちゃになってて、それは違うな、と思った。
自分探しも私らしくという言葉も、相手にも正義がある感じも、「バカばっか」が決まり文句になるあたりも、意味ありげで意味ない会話の応酬も、キャラソングがめっちゃ出て来て、キャラ設定もステレオタイプを当てはめた感じだったり、髪の色がやたらカラフルだったりするのも、みんなあの時代らしいと思っちゃった。ソフィーの世界ってあの頃だったよな。
なんか、僕の中でよく分からないが不愉快な印象だけがあった作品を、今回見直せた事で、整理がついて良かった。