ひろさんのココンところ

いまだ人生に惑う事ばかり

季節はいつの間にか

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朝、出かける前にCDラックと睨めっこして、今から何を聴こうかと考えていたら、くるりの『さよならストレンジャー』が目についた。

・・・はて、これは、いつ買ったのだろうか。

あぁ、そうだ、この前中古屋でカゴに入ってたから買ってきたんだった。

してみるとこれは、我が家では新参という事だ。

とにかくこのCDを持って車に乗った。

 

実は僕にとってくるりというバンドは、なんか分からんけど買っちゃうタイプのバンドで、メチャクチャ好きでもないし、どこが凄いかもよくわからない。雑誌で誉めてるからいいものなんだろう、これの良さがわからない自分の方がおかしいのだろう、とずっと思ってきた。

 

さよならストレンジャー」をプレイヤーに入れた。

一曲め、二曲め。あれ、割と覚えているな。

 

ふと、CDケースの裏を見ると、京都の深草の駅のホームが写っていた。急に思い出す。僕は、そこに写っているベンチによく座っていた。大抵ベロベロに酔っ払って。深草の最寄りのあの大学。母校でもなんでもないのだが年に数回そこまで行って無駄な話をして、酒飲んでカラオケしていた。きっと社会人になったら会わなくなると分かりきっている奴等と無駄だと分かっている話を声が枯れるまで話し合っていた。やっぱり、あいつらとは会っていない。

ケースから歌詞カードを取り出す。なんと、全部、佐久間正英さんプロデュースか。

あれ、りんご飴ってこんなに長い曲だっけ?

吸い込まれるようにアルバム一枚聴き終わり、歌とは全く関係ない思い出が掘り出されてしまった。

てか、ファーストアルバムでこれはすごいな、確かに。しかもインストの曲が二曲も入ってるし。

 

僕が深草の駅で酔っ払っている時、大体はマフラーや手袋をしていたが、僕の記憶の中の深草は夏のイメージだ。そして、このアルバムは夏のイメージと合っている気がする。家庭菜園のミニトマトに水をやり、雑草をむしりながら、ふと、あの深草の街とあの頃の無為な日々を思い出していた。

くるりはずっと僕の中で、わからんと言いながら聴いて何かを思い出しては棚にしまって、また何かのはずみで出してきては分からん、と言うのだろう。

 

・・・梅雨が、明けたらしい。